木下恵介監督映画上映会

木下恵介監督特集
©1964 Shochiku Co., Ltd.
主催:
国際交流基金
在ベラルーシ日本国大使館
現代映像舞台芸術センター


木下恵介監督映画上映会

2014年4月15 - 20日

ミンスク市映画館 «POBEDA» «TSENTRAL'NY»
Japan Foundation

Japan Foundation

Japan Foundation



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いずれも日本語音声,ロシア語字幕付きで上映されます。


4/15~18 映画館 «POBEDA»
ul. International'naya, 20, Minsk
tel. (017) 203 77 66


4月15日 / 火

18:30 (オープニング)

木下恵介監督作品
笛吹川
   Fuefukigawa Река Фуефуки (1960年, 117分, カラー)
出演:高峰秀子,田村高廣,市川染五郎(九代目松本幸四郎),岩下志麻,中村萬之助(二代目中村吉右衛門)

深沢七郎の同名小説を映画化した作品。

戦国時代,武田家の支配する甲斐の国・笛吹橋のたもとに一軒の貧しい百姓家があり,おじいと婿の半平,孫のタケ,ヒサ,半蔵が住んでいた。おじいは半蔵がお屋形様(武田信虎)の戦に出かけ,飯田河原の合戦で手柄をたてたので大喜びである。お屋形様に生まれた男の坊子の後産を埋める役を半平が申しつかったが,おじいがその役を奪いとり,御胞衣を汚して家来に斬られてしまう。同じ日,近くの家で赤ん坊が生まれ,その子はおじいの生まれ代りと信じられた。やがて半蔵も討死し,ミツの子定平はおけいを嫁にした。二人の間には長く子供が生まれなかったが,方丈さんが死んだ日に惣蔵が生まれ,翌年に次男の安蔵が生まれた...。次々に男手を戦にとられていく農民一家の60年余りにわたる物語。



4月16日 / 水

18:30

木下恵介監督作品
大曽根家の朝
   Osone-ke no ashita Уторо семьи Осонэ (1946年, 81分, 白黒)
出演:杉村春子,小澤栄太郎,三浦光子,増田順二,東野英治郎,長尾敏之助

黒沢明と並んで戦時中に巣立った新鋭監督の双璧として注目を浴びていた木下恵介の戦後第一作。

1943年12月下旬のある日,大曽根家では,悠子の婚約者・実成明の出征を祝って,和やかな雰囲気に包まれていた。その夜,長男・一郎は思想犯として突然検挙され,軍人の叔父・大曽根一誠は悠子の気持も祭せず,実成との婚約を破棄する。悲歎に暮れる大曽根家に,画家志望の次男・泰二は召集を受け,絵に対する熱情を絶ち切れず出発する。空襲で焼け出された叔父夫婦は大曽根家に移り,わがもの顔に一家の上に君臨する。その頃,前線にある実成から,次男・泰二が戦病死した報せがもたらされる...。



20:10

木下恵介監督作品
   Onna Женщина (1948年, 67分, 白黒)
出演:水戸光子,小澤栄太郎

男性からの重圧に反流しつつ、正しく生きることを願う女、林敏子が雄々しくも強い自己本来の魂に目覚めていく物語。

レヴューの踊り子敏子は、やくざの町田の命令で箱根まで無理矢理に連れられて行った。町田は足を怪我したらしくびっこをひいていた。駅ですれ違った何やら怪しげな町田の友人2人と、車中で見た3人組強盗の新聞記事から、敏子はただならぬものを感じとるのだった...。



4月17日 / 木

18:30

木下恵介監督作品

永遠の人   Eien no hito Бессмертная любовь (1961年, 103分, 白黒)
出演:高峰秀子,佐田啓二,仲代達矢,乙羽信子,石濱朗,田村正和

米アカデミー賞外国語作品賞ノミネート作品。

阿蘇谷の大地主小清水平左衛門の小作人の娘さだ子には,川南隆という恋人がいた。隆と平左衛門の息子平兵衛は,共に戦争に行っていたが、平兵衛は足に負傷、除隊となって帰ってきた。平兵衛の歓迎会の数日後、平兵衛に犯されたさだ子は川に身を投げたが、助けられた。やがて隆が凱旋してきた...。



4月18日 / 金

18:30

木下恵介監督作品

香華   Koge Запах благовоний (1964年, 201分, 白黒)
出演:岡田茉莉子,乙羽信子,田中絹代,杉村春子,加藤剛,岡田英次

母と娘の40年にわたる愛憎劇を描く有吉佐和子原作の文芸大作。20歳で後家となった郁代は娘朋子を母つなの元に預け,高坂敬助の後妻となった。つなの死後,朋子は郁代にひきとられたが、敬助の親と折り合いの悪い郁代は家を飛び出し,貧乏生活の果てに朋子は楼閣に売られてしまう。敬助に捨てられた郁代は花魁として13歳となった朋子の前に現れるが、母と呼ぶ事さえ口止めされ、朋子は衣装道楽で男を享楽する母を見つめて成長する...。




4/19・20 映画館 «TSENTRAL'NY»
pr. Nezavisimosti, 13, Minsk
tel. (017) 200 34 16


4月19日 / 土

17:00

木下恵介監督作品
カルメン故郷に帰る
   Karumen kokyo ni kaeru Кармен возвращается на родину (1951年, 86分, カラー)
出演:高峰秀子,小林トシ子,井川邦子,佐野周二,佐田啓二,笠智衆

日本初の国産フィルムを用いた総天然色(カラー)映画作品。家出をし,東京でストリッパーとなったカルメンことおきんが仲間と共に故郷へ凱旋。おきんたちの派手な外見や言動に眉をひそめる村人たちを前に,二人は本物の芸術を見せようとストリップ公演を企画する...。



18:40

木下恵介監督作品
二十四の瞳
   Nijûshi no hitomi Двенадцать пар глаз (1954年, 156分, 白黒)
出演:高峰秀子,月丘夢路,小林トシ子,井川邦子,田村高廣,笠智衆

壺井栄の同名小説を映画化した作品。1955年米ゴールデングローブ賞外国映画賞,1954年キネマ旬報ベストテン第1位をはじめ,数々の賞を受賞した日本映画史上に残る名作。

昭和3年,小豆島の分教場に赴任した新任教師・大石久子は,悪戦苦闘しながらも12人の子供たちとの交流を深めていく。やがて戦争が始まり,日本中がその渦に巻き込まれ,成長した子供たちの運命にも影を落としていく...。



4月20日 / 日

17:00

原恵一監督作品
はじまりのみち
   Hajimari no michi Расцвет таланта: История Кейскэ Киносита (2013年, 96分, カラー)
出演:加瀬亮,田中裕子,濱田岳,ユースケ・サンタマリア

木下恵介監督生誕100周年に当たる2012年に制作開始,翌年公開された。アニメーション作品で知られる原恵一監督初の実写作品。人間のありのままの姿を愛情をもって撮り続けた木下監督の原点を探るべく,母たまとのエピソードを実話を元に描いた物語。



19:00

木下恵介監督作品
楢山節考
   Narayama bushiko Баллада о Нараяме (1958年, 98分, カラー)
出演:田中絹代,高橋貞二,望月優子,市川團子(二代目市川猿翁),宮口精二

深沢七郎による同名小説を最初に映画化した作品。歌舞伎の手法を採り入れ,国内外で高い評価を受けた。

夫に先立たれた69歳のおりんは,貧しい山村で孫たちの世話をしながら暮らしていた。この村では口減らしのため,70歳になった老人を山に捨てるという「楢山参り」の風習があった。気がかりだった息子辰平の後妻も見つかり,おりんにとって楢山参りへの心残りはなくなったはずであったが...。