大使挨拶

2019/11/11
Tokunaga Hiroki 德永 博基   とくなが ひろき 駐ベラルーシ日本国特命全権大使

私は,本年9月2日,ベラルーシに常駐する初代の日本国特命全権大使に任命されました。これまで,駐ロシア日本国特命全権大使がベラルーシも兼任して,ミンスクには臨時代理大使が常駐していました。近年のベラルーシを取り巻く国際情勢を踏まえて,日本はベラルーシとの関係をさらに強化するために常駐の特命全権大使の派遣を決めました。

両国には,放射能に引き起こされた惨事という共通の悲しい体験があります。ヒロシマ・ナガサキで世界で唯一の戦争被爆国となった日本にとって,チェルノブイリ原子力発電所事故の最大の被災国となったベラルーシの悲劇は他人事とは思えません。それ故,日本政府は,草の根・人間の安全保障無償資金協力の枠組みにおいて人道支援を実施してきています。また,日本のさまざまな市民グループが物心両面での支援を続けています。2011年,日本では,東日本大震災が発生し,福島第一原子力発電所事故が起きました。ベラルーシはいち早く日本への支援を実施してくれた国のひとつです。今でも,被災地の高校生が,毎年,ベラルーシの保養所に招待されています。私たちは,ベラルーシの人々の暖かい気持ちに感謝しています。2012年12月には両国政府間で原発事故後協力協定も締結されました。

在ベラルーシ日本国大使館は,1993年の開館以来,文化交流や専門家の育成にも力を入れてきました。日本政府奨学金プログラムでは,日本語学習者だけでなく,幅広い専門分野のベラルーシ人留学生を日本へ招いており,その数はのべ100名以上になっています。また,ベラルーシを訪れる日本の観光客の数も,両国の地理的な遠さにもかかわらず,次第に増えてきています。また当館では,2013年以来,日本文化フェスティバル「ベラルーシにおける日本の秋」を実施して,多様な日本文化の魅力を紹介しています。こうした活動が,ベラルーシの皆さんの日本への理解を深めることに繋がれば,私たちにとって何より嬉しいことです。

両国間では近年,次第に人的交流が活発となってきています。2018年10月にはロシアNIS貿易会(ROTOBO)の経済ミッションがベラルーシを訪問しました。また,2019年5月には日本でベラルーシ・日本投資フォーラムが開催されました。2019年には,薗浦健太郎総理大臣補佐官(当時)が欧州競技会に合わせてベラルーシを訪れ,また渡辺復興大臣(当時)も日本の現役閣僚として初めてベラルーシを訪問し,ルカシェンコ大統領と会談しました。9月には日・ベラルーシ経済フォーラムがミンスクで開催され,日本からビジネスマンが参加しました。日本のIT企業関係者のベラルーシに対する関心も次第に高まってきています。

私は,初代の特命全権大使として,これまで築かれてきた両国の関係をさらに高い次元のものとすべく,政治,経済,文化,人的交流などあらゆる分野で,両国関係の潜在力を現実のものに変えていくよう最善を尽くしたいと考えていますので,よろしくお願いします。

2019年11月
駐ベラルーシ日本国特命全権大使
徳永 博基