2020年ベラルーシ・オンライン日本語弁論大会(実施報告)
12月10日,ベラルーシ日本語教師会および在ベラルーシ日本国大使館の共催で,ベラルーシ・オンライン日本語弁論大会が開催されました。この大会は,新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中,日本語学習者の日頃の勉強の成果を発表する場を設ける目的で行われ,初めてのオンラインでの実施となりました。
ベラルーシ日本語弁論大会は例年3月に実施されていましたが,今年は3月の大会が中止となり,毎年10月下旬に行われているモスクワでのCIS国際学生日本語弁論大会も,時期と形式を変更し,2021年1月にビデオ録画とオンラインでの質疑応答で行われることとなりました。本大会は,このモスクワ大会へのベラルーシ代表を選ぶ目的もあり,参加資格や実施規則はモスクワ大会にほぼ準じたものとなりました。
ベラルーシでのオンライン大会は,Web会議サービス「Zoom」を利用し,出場者と審査員がオンラインのミーティング会場に集まりました。出場者はそれぞれ5分程度,あらかじめ準備した日本語でのスピーチ(テーマは自由)を原稿を見ずに発表し,その内容についての2問の質問に答え,審査員が評価するという,通常の弁論大会と同様の方法で行われました。
合計9名のベラルーシ国立大学およびミンスク国立言語大学の学生の発表を, 4名の審査員が評価した結果,1位から3位にはいずれもミンスク国立言語大学で日本語を専攻する4年生が入賞しました。1位には「人間の本質」というテーマで発表を行ったアレクサンドラ・ピンチュークさん,2位にはマリヤ・シビリナさん(テーマ「私の好きな漢字」),3位にはアレクサンドラ・シクロワさん(「私の一日」)がそれぞれ決定しました。また,「言語から見た日本人のメンタリティ」というテーマでスピーチをしたヴァシリーナ・ブローヴコさんは,審査員特別賞を受賞しました。
優勝したアレクサンドラさんは,「初めての弁論大会出場で緊張したが,優勝できてとても嬉しい」と喜びを語りました。また,審査員長を務めた德永博基・駐ベラルーシ日本国特命全権大使からは,「上位入賞者の間の得点差は大きくなかった。学習を始めて日の浅い2年生が多数参加し,中には難しいテーマに挑戦し,難しい言葉を多く使っている出場者もいて感心した。和楽器や相撲といった日本の伝統文化を扱ったスピーチがあり興味深かった。ぜひ日本に行って日本の文化を体験して欲しい」との講評が伝えられ,他の審査員もそれぞれ「さまざまなテーマがあり楽しく聞いた」「苦しいこともあると思うが,今後も勉強を続けて欲しい」といった印象を語り,激励の言葉とともに大会を締めくくりました。
1位のアレクサンドラ・ピンチュークさんはモスクワ国際学生弁論大会代替事業にベラルーシ代表として参加するほか,入賞者,参加者へは,大会を支援するミンスクの姉妹都市仙台市,NPO法人東洋伝統文化協会「葉隠」,丸紅株式会社より,賞品および参加賞が贈られます。
結果
- 第1位
- アレクサンドラ・ピンチューク(ミンスク国立言語大学4年,「人間の本質」)
- 第2位
- マリヤ・シビリナ(ミンスク国立言語大学4年,「私の好きな漢字」)
- 第3位
- アレクサンドラ・シクロワ(ミンスク国立言語大学4年,「私の一日」)
- 審査員特別賞
- ヴァシリーナ・ブローヴコ(ベラルーシ国立大学2年,「言語から見た日本人のメンタリティ」)




順にアレクサンドラ・ピンチューク(第1位),マリヤ・シビリナ(第2位),アレクサンドラ・シクロワ(第3位),ヴァシリーナ・ブローヴコ(審査員特別賞)(以上敬称略)